小説『僕は彼女を愛しているけど彼女は『僕』を愛しているらしい。』の裏話 第2話更新分です。
今回は前回の最後に予告したとおり、本作を思いついたきっかけや原点になったものについて話していこうかなと思います。
よければ本編、あわせてお楽しみくださいですわ~~~~。
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第2回 裏話 テーマ『作品を思いついた時の話』
前回の裏話でチラリと話しましたが、『僕カノ』は私が学生時代に書き上げた作品となっています。
小説制作をメインにした文章系の専攻がある専門学校に通っていた勝哉。
そこでは、毎回進級のタイミングでなんらかの作品を書き上げるといった決まりがあり、本作はその提出物として制作した作品でした(あくまでも勝哉が通っていた時の話なので、今はどうなってるかはわかりません)。
もうそれなりに昔のことなので細部までは覚えていないのですが……、テーマのような難しい縛りは特になかったように思います。
文字数のような制限もなかったような……。
なんか、こうしてしっかり思い返してみると、なんてちゃらんぽらんなルールの課題だったことか。こんなゆるゆるな課題、この世に存在していていいんですか。最高かよ。
まぁ、そんな自由と書いて課題と読むような課題だったので、こちらとしても「なんでもいいんだな~」というゆるゆるな気持ちでいまして。
そんなゆるゆるなまま「じゃあ、この設定で書いてもいっか~」と思いついたのが、『僕カノ』の初期案でした。
【『僕カノ』初期案】
自分を殺した相手とラブラブランデブーしたい男の子の話。
実際のところそんなに今の設定と変わりありません。
ただ、言葉足らずの初期案だったな、と今なら思います。
いや、だって「『自分を殺した相手』とラブラブになりたいって、どういう事やねん」ってなりません?
どんな状況になればそういう心境に到れるのか、ちゃんと説明しいや。謎すぎるだろがい。
実際、初期案を提出した際の先生からは、なんとも複雑そうな顔をされたのを覚えています。
「別にいいけど、たぶん書くの難しいよ……?」と困惑げに言われれたことも。
今思えば、もっとちゃんと「これこれこういう風で、こういう流れのお話で……」と細部まで説明すれば、先生からも理解してもらえたように思います。
先生、その節は本当に申し訳ございませんでした……。
ただ、その時はそうした反省点にはまったく気づかず、先生に言われた言葉の意味に首をかしげてばかりいました。「いや、そこまで難しい話か?」って。
「人間、心情なんて十人十色。そういう心境に到れる奴もいるだろ」というのが当時の私の言い分です。
サイコパスか?????????
でもあながちこの考え、今も似たようなの持って書いてるから、当時の私を全否定はできないんですよね~~~~~~~~~。
(「年齢・性別・立場などの大きなくくりから生まれる「心情」もあるだろうけど、そのキャラ由来の性格から生まれる「心情」もあるだろうから、特殊な心境に到れるキャラがいてもなんらおかしくない」by 今の勝哉)
そんなわけで、サイコパス心高めであった若き勝哉は先生のお言葉も無視して、そのまま執筆に挑むことに。
なお、執筆自体はとても楽しかった事をここに記しておきます。
思ったより苦戦する事なく仕上げてしまったので、なんかもう、先生の言葉を無視した事に対する反省のはの字も浮かばず、今この年になってあの時は言葉足らずな説明をしてしまって申し訳がなかったなと思うばかりです……。
人って、どうしてこう、どうにもできなくなってから悔やむんでしょうね。
後悔先に立たず。
ちなみに、なぜこのような話を思いついたのかについてですが、それは当時ハマっていた小説『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』に理由があると思われます。
『みーまー』の略称でも知られる『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』。
当時は電撃文庫を代表する作品の1つとして知られていました。今でもそうなのかな? そうだったら、ファンとしては嬉しいですね。
コミック版が出たと聞けば本屋を巡って買いに行き、実写映画化していたと知ればDVDを入手し、原作小説を読めば読み終えた直後に最初から読み直し……、ともう狂ったようにハマっていました。
結果、「自分もこういう恋愛もの書いてみたーい!」という気持ちがムクムクとわきあがり、そのタイミングで進級課題の話が飛び込んできたので、己が欲望のままに作り上げたのが『僕カノ』の初期案でした。
ちなみに、『みーまー』を知らない方向けに簡単にあらすじを説明しますと、『みーまー』はとある誘拐事件の被害者である少年少女達の「その後」を綴ったお話です。
誘拐事件から数年が経った後に、事件被害者であったみーくんとまーちゃんが再会した事からお話はスタート。彼らのどこか歪んだ愛で満ちた日常やその周囲で起こる狂気で満ちた事件なんかを描いた作品となっています。
……「こういう恋愛もの」が書きたかったんですよ、当時の私は(白目)
とはいえ、「こういう恋愛もの」が大好きなのは今でも変わらない趣味嗜好だったりします。
恋愛ものというか、こう、ちょっと普通じゃない、常識外れな思想・思考・価値観で満ちた作品が好きなんですよね。
舞台になる世界自体が狂っているのも好きですね。要は混沌としているものが好きなんです。
でも反面、なんでもない日常を愛するような、平和で穏やかなお話も好きで。
どこにでもあるような平凡な日々のなかにある大切な何か、些細な日々を友達や家族なんかと笑い合いながら過ごすだけの時間。そういったものが描かれた日常ものなんかも、同じぐらいに大好きなんです。
『僕カノ』の連載準備中に久しぶりに内容をしっかり読み直したのですが、よく読むとそういう穏やかな趣味嗜好も少し入ってることに気づきました。
本当に少しだけだけどね……。
私のこの趣味趣向を知る友人からは、「光と闇の性癖、どっちかにしろよ」ってよく言われます。
光と闇だけあっても意味がないのよ~~~~~~。両方なくちゃダメなの~~~~~~~~。
光あるところに闇は生まれるし、闇あるところでこそ光は輝くのよぉ~~~~~~~涙
(友人「厨二か?」)
以上、『僕カノ』を思いついた時の話でした。
私の光と闇の性癖が混ざった『僕カノ』。
もしよかったら、どこら辺が光でどこら辺が闇の性癖なのか、考えながら読んでやってください。
「つまり作者はそういう奴なんだな」って気持ちになれると思います。
……誰得?
作品リンク:https://estar.jp/novels/26137400
投稿先:エブリスタ
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